サポート通信

サポート通信 098号2019年8月1日発行

原状回復工事は誰が負担する?!

賃貸借契約の終了にあたり、原状回復工事の負担割合の取り決めは管理会社最終の業務と言えます。かつてバブル時代は100%入居者負担という時期もあったものの、トラブルの多さに国土交通省は平成10年に一般的な基準を示したガイドラインを作成しました。続いて平成16年・23年に裁判事例及びQ&Aの追加などの改訂を行いました。昨今では、文化の異なる外国人オーナーや投資家の賃貸業進出などで、原状回復工事についての質問も多くなってきました。果たして、この原状回復工事は、だれが負担すべきものなのか?を考えてみます。

質問① 入居者が壊した破損部分と経年変化のすべてを請求できるか?
⇒ 原状回復とは賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、その費用は賃借人負担としました。そして、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものと位置付けています。よって経年変化の損耗については貸主負担となります。

質問② 室内クリーニングを特約で借主負担とするように、自然損耗の原状回復を借主負担とする特約は有効か?
⇒ 本来であれば、室内クリーニングは通常損耗の原状回復に関する費用で、性質上は貸主の負担となる。しかし、特約の内容が一義的に明確な内容であり、かつその負担が公序良俗や信義則に反するものでなければ、借主の負担とすることも認められている。(裁判での判例も出ている。)

★原状回復のポイント

ガイドラインは、裁判所の考え方を取り入れて、原状回復は賃借人が借りた当時の状態に戻すものではないということを明確にし、原状回復を「賃借人の故意・過失。善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義している。

上記の通り、昨今は入居者の負担は入居者の故意過失の部分に限られているのが現状です。その為、負担額を予め定額制として、退去時のトラブルを未然に防ぐ工夫をしています。 今後、更なる差別化を図るために、入居時の入り口と退去の際の出口がスムーズになるような、原状回復工事スキームの開拓が求められています。

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