194号-2013.9.25

[ 2013.10.3. ]

194号-2013.9.25

 

「プロ社員が求められている!」とは、どこでもいつでも言われている。
しかし、言っている本人も、聞かされる社員もキチンと自覚している人は少ない。

 ちょうど「商工にっぽん」で出されている「わーく7月号」という小冊子でうまく纏めてあるので紹介したい。

プロ社員とは・・・と11項目が列挙してある。どれもが「ナ~ンだ、そんなことか」である。「そんなこと」でもキチンとできる社員は意外と少ない。

 

①    会社に誇りを持っている 
 ・仕事は会社の信用の上に立つ
・自分自身に誇りを持つ以上に会社に誇りを持つ
・仕事は一人でできるものではない!
最近の風潮として、「自己のスキルアップ」と会社を踏み台にしている社員がいる。しかし、成功している社員は見かけない。何故ならその手の社員は顧客や仕事に対して「何時も半身に構える」からだ。しかも自分の勤務する会社に誇りを持てない社員を顧客が信用するものか、が分からない。

②    人との約束を必ず守る    
・人との約束は真剣勝負で臨む
・周囲との間でいつでも適度な緊張感を持つ
 自ら履行できるものをやらないのは問題外だが、第三者の助けを借りなければならないケースが殆どだ。会社は組織で仕事をしている、事前の根回し、他部門の工程調整や協議次第で成果が異なる。傍観者ではだれも相手にしない。顧客はその力量をみて判断している。

③    毎日必ず時間を厳守する   ・時間を守る人は相手に安心感を与える
・時間厳守の為に集中力を高める
時間に遅れるという事は「相手の時間を盗んでいる」事だ。相手にその分損害をかけている。
遅れる社員はいつでもどこでもこの時間観念がない。提出期限も何時も締め切り間近で、訂正するや校正する時間的余裕もない、だから何時もぶっつけ本番に近いし内容もずさんになる。

④    トラブルに対して責任を持つ
・困難から逃げていては成長できない!
・仕事とはトラブル解決だ!
トラブル対応こそ、社員の力量を判断する絶好の機会になる。対応次第で会社の信用を維持できるし、失墜する事にもなる。会社の代表者としての意識で対応する事が求められる。まず相手目線で問題を考えられるかが重要だ。しかも原因を作ったのは殆ど当社側だからだ。
  自己弁護から入る社員がいるが、相手の言い分を真剣に聞くことが問題解決を早める。仕事をしているか作業をしているかの分かれ目になるし、より一層緊密な関係つくりに資する重要な閾値にもなる。

⑤    言い訳せず自分の弱さと戦う 
・諦めを感じた時言い訳が始まる
・常に自分の弱さと向き合って克服しなければならない!
何をするにも「一言」言う社員がいる。事前に自己防衛バリアーを無意識に作る社員もいる。胸襟を開かない社員には相手も警戒する。話も理屈っぽいし、メリハリがないから面白くないし印象に残らない。謝るにも誠意が感じられないから、大体こじれる。自分の至らなさを素直に認め、真剣に挽回する姿勢を打ち出す必要がある。マイナスからリセットするしかないが、数倍する努力も覚悟する必要がある。

⑥    自分が社長だったらと経営者の目線で考える 
・責任感のレベルを上げる
社長と副社長でも月とスッポンの差がある。ましてそれ以下なら相当の距離がある。それは後がないという意識だ。逃げられない立場なのだ。そして決断が求められる。社長の仕事は決断する事である。その決断はすべて損益にかかっている。つまり倒産という崖っぷちに立っていることになる。社長一人では何もできないから、社員という他人に任せている。それは多分社長と同じ判断で事にあたれるという前提に基づいている。自分の財布から出すより、他人の大事な財布から出すには、自分の財布以上の熟慮が求められている。他人の財布だからという意識では決して社長はもとより、管理職にもなれないだろう。

⑦    自分に締め切りを設けている  
・時間のゆとりが仕事の質を上げる
・仕事のリズムはセルフコントロールの要である
全ての物には時間という制約がある。人間にも寿命があり、食べ物にも消費期限がある。社会には共同生活上の様々な時間の締め切りがある。それがなくては社会が起動しない。ビジネス社会には納期がある、それに基づき他社が関係している。ネットワーク社会とはそれが整然と機能している社会を言う。第三者が関係している以上、トラブルや事故は付いて回るがそれを想定外として認められるビジネス社会は少ない。だから「時間の余裕」が必要なのだ。その余裕を得る為には「自己管理」が前提になる。

⑧    否定的な言葉を使わない  
・相手の不満は相手の立場に立つ事で解消できる
・どうやったらできるか、徹底的に考え抜く
ビジネスで「~できません」は禁句になる。それ以上の進展がなくなるし、ビジネス関係も終了してしまう。第三者の意見を聞くことで違う切り口もあるからだ。勿論、安請負はタブーだが、検討する時間的クッションを置くのも必要な時もある。

⑨    相手の期待を上回る仕事をする  
・この程度でいいと妥協してはいけない
・相手を驚かせて自分のファンになってもらう
サプライズという言葉が一時はやったことがある。想定外の事があれば期待以上の結果も得られる。
「これでいいのか!」といつも問い直す事だ。24時間考える事が,熱い思いとなって想定外の提案ができる。それが差別化につながり顧客との関係も強固になり財布の紐もゆるくなる。

⑩    数字で考え数字で語る   
・曖昧な目標は存在しない
・目標を数字で表し自分にプレッシャーを与える
数字は正直だ、結果を点検できる。誤魔化せない。だから責任が出てくるし、強い社員になる早道だ。数字にシビアーな社員は説得力もあるから顧客からも印象がいい。「見える化」もできるから組織のベクトルも合わせやすい。

⑪    自分しかできない仕事を作り出す 
・交換可能な組織の歯車になるな!
・人生は一度きり、とことん仕事に打ち込め!
組織での個体維持は「オンリーワンになる」事だ。なるにはそれなりの覚悟が必要になる。
寸暇を惜しんで自己啓発しなくてはならない。
 プロとは仕事の成果で評価される社員で、常に相対的評価にさらされている。だからプロの矜持が持て、その人だけが体得できる達成感がある。仕事に面白味が出て益々好循環サイクルができる。

こういう仕事人生を悔いのない仕事というのだ。

社長 三戸部啓之