社長の独り言

社長の独り言

[ 2018.6.1. ]

251号-2018.6.25

「会社経営」にも「2対6対2の法則」・・が当てはまるらしい。
   ①景気が良くても悪くても、業績の良い会社が2割ある。
   ②景気が良くなると良くなる会社が6割ある。
   ③そして景気が良くても悪くてもダメな会社が2割ある。
③は問題外だが、殆どの会社は②だろう。

 

 

時流を踏まえ戦略的な動きをしている会社が、如何に少ないかという事でもある。会社が自らの意思で存続しているのではなく、外部環境により存続させられている会社が、経営陣の意思とは異なり多い。つまり、明確な企業理念と目的がないともいえる。会社の存在理由が明確でない。
「あってもなくてもいい会社から、あって欲しい会社」を目指さなくてはならない。

どこの会社でも、一応経営理念らしきものがある。企業経営診断では必ずコンサルタントはここをついてくる。理屈としては当然だが、往々にして高額なコンサル料を支払っても、作る事だけに終わっているケースも多いと聞く。お題目だけで終わり、企業組織の中に浸透していないのだ。社内に掲示するだけで終わっている。社内で唱和するだけで終わっている。
10年も経つといつの間にか忘れられている。ポエムのように諳んじているが、組織の中に落とし込めていない。当社でも平成11年に作成した。今から19年も前だ。多くの会社のように、「ただある」だけだ!

消費者や投資家を裏切った会社の多くにも、不祥事を起こした会社にも立派な企業理念がある。リーマンショックを引き起こし世界的金融不況の原因を作った「リーマン・ブラザーズ」のCEOの挨拶を見ても立派な文句が並べてある。ちょっと長いが掲載してみる。

「リーマン・ブラザーズの今日までの好業績は、徹底したお客様第一主義という経営理念を追求することにより達成されてきました。この理念は、創業当時より私たちのあらゆる経営活動の根幹を成すものです。そして今後もこの理念に基づいて、金融アドバイザーとしての専門的能力を活かし、最先端の金融商品とサービスの提供を通じて、つねにお客様とのさらなる強固な信頼関係の構築を目指します。またリーマン・ブラザーズでは、社員一人ひとりの経営への参画意識も極めて高く、現在では社員の持株比率も高水準に達し、お客さまの成功のために深く貢献する姿勢を貫いています。
最も重要な資産は人材である、と常に考えているリーマン・ブラザーズでは、社員一人ひとりの個性を尊重し、能力を引き出し、お互いが協力し合うことで、現在の企業文化が築き上げられてきました。そして、さまざまな経歴・バックグラウンドを持つ業界最高水準の人材を見出し、入社後もさらに専門知識を高められる機会を提供することにより、優秀な人材がより質の高いキャリアを構築していける環境を目指しています。こうした社員一人ひとりが共通の目標達成を目指す士気の高いプロフェッショナル集団として、リーマン・ブラザーズは今後もお客様とのパートナーシップの構築に全力を尽くしていきます。」
非の打ち所のない素晴らしい内容だが、結果として全てが裏切られ世界不況の一因になった。倒産した直後の社員の引っ越し時の淡々とした態度の映像は余りにも衝撃的だった。

数百年もやってきた老舗企業でも企業理念は、「誠実」とか「勤勉」とかである。小学生も簡単に言える基本中の基本の倫理観だが、世間にアピールすることもなく、経営者と社員が地味な行動をもって体現している。文言の立派さではなく組織に落とし込んでいる事がポイントなのだ。トップの戦略、組織構築が、具体的に位置付けられているかが大きい。日々の日常業務の中で表れていなければいけない。勿論、綺麗ごとを言っているのではない。ビジネス戦線は強者生存の世界で、生き残りが経営者の最大のミッションである。其のコアになる部分である組織構築を言っているのである。社員こそ組織の中核なのだ。抽象的なスローガンや社是だけでは現場は何をやっていいのかわからない。

目標設定で肝心なのは「何のためにやるのか?」自覚してもらう事である。具体的で明確な行動目標を提示し、評価する事が重要だ。

飲食・物販チェーンの「まるしげ:宮城県名取市」は「日本で誰でも知っている有名店になる」といった目標がトップの言いっぱなしにならないように、管理職から現場の調理人まで一人ひとり人事評価の目標に具体的に落とし込んでいる。例えば料理人であれば、白衣をきれいにする、包丁をきちんと研いでおく等だ。
更に大事なのは部下との面談が欠かせない、同社では2ヶ月に一度実施している。この程度の事かと思うかもしれないが、普通の企業は中々できないのだ。

一般的に川下、川中、川上にあるかで業績には大きな差が出てくる。川下から川上に行くほど営業力・開発力がモノを言うが、それだけ風を真正面に受けざるを得ない。社員にも負荷がかかり、ブラック企業の烙印も押されやすいが、企業の伸びしろは大きく、将来大化けする可能性も高い。しかも、倒産確率は比例的高く、ほとんどのスタートアップ企業は3年で8割が消え去る厳しい現実がある。結果から云々言うのは後知恵、評論家的だが、倒産する企業にはそれなりの理由がある。

社員に当てはめても同じことがいえる。掛け替えのない優秀な社員が2割、この会社でしか通用しない社員が6割、居てもいなくても良い社員が2割いる。
雇用の流動化ができていない環境では、解雇規制によりこの最低ランクの社員さえ企業が抱え込まなければならない。このコストは馬鹿にできないが、更に問題なのはこの手の社員が増加している事だ。しかも、自分の無能さ加減を自覚していない、本人の諦めや居直りもある。
本来、注意しなければいけないのは、この会社でしか通用しない社員なのだ。
又、労災認定の範囲が拡大されている。就労時間も毎年縮小している。そこで求められるのは生産性と省力化だ。企業間の競争は益々激烈化するが、社内では競争原理をあからさまに持ち込めない。人格を否定する事につながりやすいからだ。しかし、この手の社員の戦力化こそ企業存続の要諦だ。

多くの日本人は「競争社会」と言う言葉を否定的にとらえる。
「弱肉強食」「人間性を歪める」といった負のイメージを想起するからだ。しかし、競争がなくなれば、例えば、携帯電話の料金が高くなる。競争で自分の長所・短所を見つけることができる。競争から逃げていては、社会は衰退してしまう。
運動会で徒競争をしても順位を敢えて付けないと言う「反競争的な教育」を受けた人たちは、どうなったか。当初の目論見とは違ってきたのだ。「ジコチュウ」が増えたのだ。

実は他人を思いやる「利他性が低く、やられたらやり返すと言う価値観を持つ傾向が高い」と言う分析結果がでている。協力する心をもたらせようと考えた教育が、能力は皆同じと言う発想となって子供に伝わり、所得の低い人は怠けているからだと言う発想を植え付けてしまった可能性がある。多面的な人間性を前提にすれば、バランスが必要だという事でもある。修行という言葉自体もなくなって久しい。

「性相近し、習い相遠し」人間はもって生まれた素質は皆同じようなものだが、勉強や習慣によって段々差がついてしまう。如何に環境や教育が大切かを示した論語の言葉だが、今後10~20年の間に今ある仕事の機械による代替や自動化は米国で47%(英オックスフォード大学の研究者による)英国でも35%(デトロイト英国法人の推計)に達する。

テクノロジーの発展により以前とは比較にならないほど情報やコミュニケーションへの可能性が開かれている。それを駆使して自分の資産を増やし、マーケットでの価値を揚げた人達を獲得し、自社の目指す方向に向けて活用できるか否かが、今後の企業の競争力を左右する。
「自分が分かる事だけで勝負しようとする」時代は終わっている(一橋大学 石倉名誉教授)激烈な競争を勝ち抜いた優秀な人達の集団知が求められ、もはや過去の経験や知識では通用しない事が証明されているのを直視しなくてはならない。まして「ジコチュウ」社員など問題外だ。

                            社長   三戸部 啓之   

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