082号

サポート通信 082号2018年4月1日発行

入居後のトラブル事例 : カップルで住んでいた部屋がいつの間に・・・。

昨年の暮れにオーナー様から相談を受けた案件です。
オーナー様の所有する1LDKのお部屋に1年前からあるカップルが入居しました。
地元の不動産会社からの紹介で、男性26才、女性27才、共にお勤めをしており、結婚予定はないけれど両方の親も二人の同居を承諾していて家賃の支払いも特に問題なさそうなので、オーナー様も入居の承諾をしたそうです。しかし、昨年10月から家賃の支払いが滞るようになり、とうとう3ヶ月分の滞納となってしまいオーナー様も困惑していました。仲介した不動産会社に依頼しても本人と連絡が取れない、というだけで埒が明きません。痺れをきらして相談に来られました。
早速、現地に向かい部屋を訪ねましたが全く人の気配はありません。しかし、最近ではライフラインが停まっていても平然と生活をする人がいる時代なので、すぐに結論は出せません。その後、契約書に記載の緊急連絡人である母親だという女性と連絡が取ることが出来ました。母親によると昨年から入居者である娘さんは実家に帰ってきているそうです。その2~3日後に女性本人から連絡が入り、事情を聞くと、借りた部屋は退去していて男性の所在は不明、と言います。契約上は連名契約という事実を説明した上で、滞納分を支払う義務があるという事を話すと、ようやく事の重大さに気づき、相手の男性に連絡を取って貰いました。男性も既に退去しており、滞納金については両者で半分づつ払うことになりました。幸いにも室内はきれいに使っていたので、退去の手続きもスムーズに完了しました。

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昨今は未婚カップルの入居は珍しい事ではなく、むしろその割合が増加している事を考えると、契約上の歯止めが必要となってきます。
契約名義上のどちらかが契約期間中に退去した場合や、今回の様に両方が部屋を退去した場合などの、解約処理、滞納金回収、明渡しなど契約上の万全な対策が必要です。

 

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