第242号

敷金と礼金の歴史と今後の動向

アーバンレポート 第242号2019年8月発行

◆ はじめに

 日本では今、人口の減少や新築の建築の増加に伴い、賃貸物件の空室率は上昇の一途を辿っています。その中でも神奈川県は人口も増加の傾向にあり、現在では907万人が暮らしています。しかし、そんな神奈川県でも少子高齢化の影響は免れられず、2040年には人口が834万人にまで減少することが予想されています。

 

神奈川県の空室率は平均して16.1%と全国平均より大きく下回っており、横浜市の空室率の低いところでは10.6%、川崎市では12.1%と人気のエリアであることが見受けられます。

全体的に上昇傾向である空室率に伴って、賃貸物件の差別化が大変重要となっています。例えばエレベーター付きの高級志向であったり、ペットと一緒に暮らせる物件であったり、楽器の使用できる防音室付きの物件であったり様々です。しかし、建築済の物件であると入居者の入れ替わるタイミングでペット飼育可能や楽器使用可能になるのは他の入居者との兼ね合いもあり難しいのが現状です。そうなると古くて入居者が決まらない物件は賃料を下げないと入居が決まらず、価格競争に巻き込まれてしまいます。最近よく見かける敷金・礼金なしの物件はその様にして発生していくのでしょう。入居者目線で考えると1円でも安く入居できるほうが嬉しいものです。引っ越し費用等も加わってきますので、当然といえば当然でしょう。 
では、敷金・礼金は何の為に必要になるのか、なぜこのような制度が導入されたのか次に説明いたします

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